第41章 恋に堕ちて
俺が自ら腰を揺さぶる度に、グチュグチュズブズブとした音がする。
「んっ…はぁ…。」
智くんから喘ぎ声が出始めた。
こんなに甘い声なんだ…。
初めて聞く智くんの甘い喘ぎ声にドキドキした。
んっんっ…俺は口にタオルをくわえて、声を出さないようにしている。
そして必要以上には智くんに触れないようにするんだ。
智くんには誰だかわかってしまうと思うから。
腰を智くんのモノが抜けてしまうギリギリまで引き、今度は根元まで入るように下ろす。
「んぁっ…あっ。」
最早“やめろ”とか“誰?”とは言わなくなった智くん。
こんな状況にしたのは俺だけど…身体が繋がっただけではやはり満たされなくて、自然と涙が溢れてきた。
まずい、と思った時には遅くて…
智くんのお腹にポタポタと涙が数滴落ちてしまった。
「んっ…泣いてるの…?」
智くんが問いかける。
俺は両手で顔を覆いながら、夢中で腰を振った。
「はぁ…どうし…て泣いて、るの?」
こんな状況でも、智くんは優しいんだ。
でも、今じゃなくて…
ちゃんと向き合って欲しかったよ…俺と。
これまでの色んな思いが込み上げてきて、それを払拭するかのように、腰を打ち付けた。
「もしか…て…しょ…く…?」
智くんの言葉に気づかずに。