第39章 甘い果実
櫻井から感じる体温が心地いい。
「櫻井、顔見せて。」
「イヤです…。」
「どうして?」
「恥ずかしいから…。」
「大丈夫だよ。嬉しかったよ。」
俺がそう言うと、俺の首筋に埋まってた櫻井顔が少しずつ離れていった。
「嬉しかったって…本当ですか?」
「そうだよ、本当だから。」
目の前には、手が届かないと思っていた果実…ぷっくりした赤い櫻井の唇。
「好きだよ、櫻井。」
「大野さん…僕も好きです。」
…5㎝…3㎝…1㎝…ぷちゅっ。
俺の唇と櫻井の唇が重なった。
甘くて超絶に美味しい櫻井の唇。
角度を変えて…ぷちゅっ、ぷちゅっ、ぷちゅっ。
相手の唇にも動きを感じる…
想像じゃない…
あぁ、俺…櫻井とキス…してるんだ。
「ふぅ…んっ。おおのっ…さ…ん。」
吐息混じりに呼ぶ櫻井。
「んっはぁ…さくらい…?」
唇をつけたまま話す。
「一緒に…苺、食べたい…。」
「苺…?ちょっと…待ってて…。」
俺は器に手を伸ばし、一粒取った。
その苺に練乳をつけて軽く口にくわえた。
櫻井の口が開き、半分位のところをゆっくりかじっていく。
時々触れる唇と櫻井の薄く開いた目にゾクゾクした。