第37章 心の窓
おしぼりを目に当てる櫻井に話しかけてみる。
「目、冷やしたままでいいからさ。聞いてくれる?」
「あ…う、ん。」
「たまにはさ。こうやって、一緒にご飯食べたりしようよ。」
「えっ…。」
「まぁ…俺が櫻井といて楽しかったのもあるけどさ…。笑って泣いて、また笑って…。」
「…うん。」
「それで…。俺ね、櫻井がさ、また…空や太陽を見れるようになれたらいいなって思ってるんだ。」
櫻井は小さく
「ありがとう。」
と言って、おしぼりの上から手を当てていた。
“自分でもこのままじゃいけないと思ってる”
櫻井の言葉が、俺の胸に響いたから。