第37章 心の窓
「率直に聞いても大丈夫?」
「うん…いいよ…。」
「櫻井はさ…人と関わるの苦手…なのかなって。」
「あぁ…うん。急にね、怖くなったっていうか、信じられなくなったっていうか…。」
目を泳がせながらも、話してくれている。
「なんかさ、前に…人に触れられて怯える感じだったり、冷や汗をさ、かいてるとこ見たことあってさ。」
「う…ん…。」
「前髪でさ、顔も隠れてて…。」
「そう…だよ、ね…。」
櫻井は俯いてしまった。
「無理にさ理由を聞きたいわけじゃないんだ。たださ、後輩も入ってきたし、来年は俺たち教育係になるからさ…。」
櫻井の口元が歪み始めた。
「自分でも…今のままじゃいけないって…思ってはいるんだけど…。」
膝に置いた手の拳が震えている。
「俺で良ければ、話…聞くよ。」
暫くの沈黙の後…櫻井はポツリポツリ話し始めた。