• テキストサイズ

キミとボク【気象系BL】

第36章 桜筏(さくらいかだ)



翔くんとゆっくり歩く。

お互い制服だから…

さすがに、今は手は繋げない。

翔くんは右手に、俺は左手にスクールバッグを持っていて、あいたほうの腕や手の指が触れる度にキュン…とした。


ベンチや桜の近くには人が多くいるから、俺たちは、ある場所を目指した。

この公園には池がある。

散った桜の花びらの一部は池の水に浮かび、水面をゆっくり流れていく。

俺たちは、池の端にたどり着いた。

「桜筏…綺麗。」

「うん。桜が散るのはもったい気もするけど…ずっと見ていられる。」

「そうだね。」

木の柵に置かれた翔くんの左手…

俺はその手の小指の上に、そっと自分の小指を重ねた。

肩をビクッとさせて、俺のほうを見る翔くん。

頬を染めながら目を潤ませている翔くんを見て、俺は1年前を思い出した。




/ 1027ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp