第33章 キミを見つめて
「あ…んふふ。」
智くんは僕のおでこと自分のおでこをコツンとくっつけた。
「ショウくん…俺も同じだよ。」
そう言われてお湯の中を見ると、たしかに智くんのも天を向いていた。
「ショウくんのことを想って…顔を見て…身体に触れて…ううん、一緒にいるだけでドキドキして…ウズウズして…。」
僕も同じ…だけど、これは聞いておきたい…。
「それは…智くんと同じ人間さんの身体の僕だから?本当の姿の妖精の時は…。」
「もう、ショウくんてば…なんでわからないかなぁ。どの姿のショウくんにも、僕は惹かれてるんだから…。」
智くんが僕の顔を見る。
「ショウくんのことが…すごく愛おしくてたまらないんだ。」
僕の頬にちゅっ。と唇をあてると、少しずつ僕の唇に近づいてくる。
胸がギュッとしてバクバクしてる。
智くんの唇が僕の唇に触れた。
唇を唇で挟むように、ちょっとずつ位置を変えて触れていて…それがすごく優しいんだ。
頬の時と同じように唇にちゅっ。とされて、唇が離れていった。
「これが…キス…っていうものなの?」
「そうだよ。」
智くんの濡れている唇を見て、ズン…と更にウズウズした。