第6章 儚い夢の先に~翔~
ん?…何だかスースー冷えてきたなぁ…。
あ…俺、いつの間にか眠ってたのか。
そういえば、ブランケットの感触がないな…。落ちたのかな…。
手探りしたけど届かない…
まっいっか。このまま眠っちゃお。
あれ?ブランケットの感触がする…。
肩や腰の辺りにブランケットとは違う、柔らかくて温かいもの…
モゾモゾしてる…
甘くて優しい匂い…
…これは…
「…んっ…サトシ…?」
そっと目を開けたら…
ぼんやりと黒いシルエットが見えた。
あぁ、やっぱりサトシだぁ。
きょとん、としてるし…
ブランケットをちょこっとくわえてるし…
超絶可愛いじゃないかぁ。
それにさ、肩のこれ…
サトシ、俺が撫で肩なのを気遣ってくれたの?
肩に掛けてくれたブランケット…
前足で押さえてくれてありがとう。
本当にもう、お前は優しいね。