第32章 サクラ色の空
翔くん。キミが東京に行ってからさ、
3日目の朝になったよ。
あと数日でさ、俺は初出勤だ。
翔くんも大学生になるんだね。
今日は快晴だよ。
公園の桜も綺麗なんだ。
毎朝キミとしていたジョギング…
やっぱり日課になっててさ。
今日もしてるんだよ。
桜の近くのベンチでさ、
ジョギングの途中に
キミとひと休みしていたね。
ハァハァって二人して
呼吸を整えてさ。
タオルで汗を拭う姿とか…
飲み物を飲んだ時の喉の動きとか…
翔くんのそれを見てさ、
俺…
すっごくドキドキしてたんだ。
そろそろ、ひと休みするかな。
いつも翔くんといたベンチ。
俺の右側にキミはいない。
ふぅ…っ。
翔くんは今
なにをしてるのかな。
俺は空を見上げた。