• テキストサイズ

キミとボク【気象系BL】

第28章 55㎝の空間



「櫻井くん、手…疲れない?」

「ううん、大丈夫だよ。いつもと腕の位置は変わらないから。」

「そっか。疲れたら言ってね。傘持つの、代わるから。」

「うん、ありがとう。」



櫻井くんとは…身長は5㎝くらいの違いなのかな。

スタイルいいから、もっと大きく見えるけど。

足も…長いな。

歩幅が違うけど、櫻井くんの2歩と俺の3歩がちょうど同じ進み具合みたいだ。

2歩…3歩…2歩…3歩…2歩…3歩…

たったこれだけのことでも、こんなに嬉しくて胸が弾むなんて。



隣でクスッと笑うのが聞こえた。

「なんか楽しそうだね。」

「…そう見える?」

「うん。ずっと黙ってるからさ。つまらないのかなって思って顔を見たら…ニコニコしてた。」

そんなに表情に出てたのか…。

「ほら、大野くんてさ。ポーカーフェイスのイメージあるからさ。」

「あ~、それよく言われる。何を考えてるのかわからないって。」

「でもさ、さっきからさ、色んな大野くんが見れて…嬉しいな、なんて。」

櫻井くんがはにかんでる。

「あっ、ほら。こんな風に大野くんと二人でいるなんて初めてだし。」

「そうだよね。」

「初めてがまさかの相合い傘なんてね。」

そうだよ、相合い傘なんだよ…俺も今になって何だか恥ずかしくなってきた。







/ 1027ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp