第27章 仲直りは…
翔くんがどんな反応をしてくれるのか。
固唾を飲んで様子を見ていると、翔くんの大きな目からポロッと涙が流れた。
「しょ、翔くん?」
「さ、さとしくぅん…。」
「な、なに?どうした?」
「俺の金魚…素敵になってる…パワーアップしてる…。」
割れてしまった金魚のストラップは、嵐になって間もない頃、ロケ先にあったお店で見つけたもの。
翔くんカラーの赤がキレイで、流れるような尾びれのデザインが素敵なのに、全体的には可愛らしくて。
まるで翔くんみたいだなって、ひとめぼれして買ったものだった。
俺がカバンに付けた翌日、翔くんがそれを見つけて。
目をキラキラさせて見てたから、あげたんだ。
嬉しそうにしてたなぁ。
…なのに。
ストラップが割れてしまった時、俺は欠片をよく見ることもせず、弁償することしか頭になかったなんて。