第27章 仲直りは…
記憶をたどりながら、割れてしまった欠片を接着剤でつけていく。
隙間ができてしまう所には、家にあったラインストーンをはめてみた。
うん、たしかこんな感じだったかな…。
翌日は、翔くんと一緒の仕事だった。
楽屋に早めに行き、翔くんが来るのを待っていた。
廊下の足音が聞こえる度に、不安で手が震えた。
ガチャッ
「あっ、智くん。早いね。」
コートとカバンを置くと、翔くんはソファーにいる俺の隣に座った。
暫くの沈黙。
俺があまり好きではない空気が流れている。
ゴクッと唾をのみ込む音が聞こえてしまいそうだ。
「あのさ、翔くん。」
「なに?」
「これ…一応直してみたんだけど…。」
俺はストラップを翔くんに渡した。
翔くんはそれをじっと見ていた。