第25章 white love
「具合悪いなら早く寝ないと。」
「大丈夫だって。」
「でも…。」
そんなやり取りをしながら、俺は櫻井のポケットに入ってる物に気づいた。
「ほら、写真。写真撮りに行こうぜ。」
「えっ?」
「撮りたかったんだろ?」
「そうだけど…。」
「俺、カメラ持ってきてないからさ。」
「うん、わかった。」
「どうせなら外がいいよなぁ。」
俺たちはしっかり防寒対策をして、ロビーの外に出た。
どこで撮ろうかな…辺りを見回していると、誰かが作ったであろう雪だるまをじっと見つめる櫻井の姿があった。
「作りたいの?」
「うん。手のひらに乗るくらいの小さいのでいいから作りたいな。」
なんだよ、可愛いじゃねぇか。
「じゃあ、作るか。」
俺たちはそれぞれ雪だるまを作って見せあった。
「大野くん上手だね。」
俺は木の枝で、手も付けたんだ。
櫻井の雪だるまは…なんだろうな、顔も体も丸というより三角に近くて。
初めて見た形の雪だるまが新鮮だった。
雪だるまも一緒に写真を撮り、雪だるまは崩れないように両手で持って、部屋のバルコニーに置いた。