第25章 white love
漸く落ち着きを取り戻し、俺たちは大浴場に向かった。
あれだよな…。
風呂に入るってことは、メガネは当然外すよな。
そしたら、またあの大きな目のイケメンが見れる…。
最早俺は、今まで知らなかった櫻井の姿を発見することが楽しくなってしまった。
「大野くん、浴室には誰もいないみたいだよ。貸切状態だね。」
目の前には腰にタオルを巻いた櫻井…イケメンくん。
貸切状態って…二人っきりってことかぁ。
こんなにアイドル並みのイケメンと一緒に風呂…そう思うだけで胸が高鳴った。
シャワーの湯が滴るイケメン。
髪を洗うイケメン。
身体を洗うイケメン。
泡を流すイケメン。
湯船に向かうイケメン。
前はタオルや手で上手く隠されて見えなくて残念だったけど、後ろ姿はお尻がキュッと上がっていて、つい見とれてしまった。
「大野くんは湯船に入らないの?気持ちいいよ。」
イケメンに誘われてる、俺。
入りますよ、入りますとも。
俺が湯船に入ると、櫻井は窓の外を見ていた。
「天候が良くてよかったよなぁ。」
俺も櫻井と同じように、窓ガラスの外の柵越しから見える雪山の風景を眺めた。
「来て良かったよ。ありがとう、大野くん。」
櫻井は俺を見ながら、前髪をかき上げた。
ドッキーン…
濡れた髪でのオールバックの櫻井は、超絶イケメンすぎた。
色気が半端ない。
なんなんだよ、コイツは。
「大野くん、顔が赤いよ。のぼせちゃった?」
はい、アナタにね…心の中で返事をした。