第25章 white love
「ん~っ、久しぶりだなぁ~。」
白くキラキラ光っている雪景色にワクワクした。
あれっ?櫻井?
一緒にゲレンデに来たはずの櫻井の姿が見当たらない……はずもなく。
だから…その色、目立つから。
「おい。お前、何してんの?」
「いや、その…大野くんとの思い出をカメラに…。」
俺の真後ろで、カメラ片手にピースサインをしていた。
「わかったから。後で撮ろうな。」
「うん!」
満面の笑みを浮かべて…お前は子どもか!
さすが、自分でスキーが上手いと言っただけある。
スキーの腕前は確かなものだった。
滑らかなのに力強くて。
シュッ。
特に止まるときの姿は、男の俺から見ても
カッコいい。
ドキン…
…なんだ?
どうして俺は櫻井に対してドキドキしてるんだ?
俺よりスキーが上手いから、きっと憧れってやつだな…そうだ、そうに違いない。
それに…
話しかけてきた人たちに接する櫻井の姿を見ると、どうしてだか胸がムカムカしてしてきた。
これは胸やけか…?
「大野くん、大丈夫?具合悪い?」
櫻井が心配そうに声をかけてきた。
多分、俺が胸を擦っていたからだろう。
「大丈夫。心配すんな。」
「それならいいけど…。無理はしないでね。」
その後もスキーを楽しんだけど、櫻井は内心はやっぱり心配してくれてたみたいで…。
俺を見失わないようになのか、常に近くにいたんだ。
結構いいヤツじゃん。