第25章 white love
旅行当日は快晴だった。
4人で行くといっても、行き帰りのバスを一緒に乗る時以外は、基本的には2対2の自由行動でいいらしい。
部屋は2人で1部屋だから、俺は櫻井と一緒。
よっぽど嬉しいのか、コイツ…櫻井は鼻唄を歌ってやがる。
「ほら、スキーしに行くから早く着替えるぞ。」
「うん、わかった。」
櫻井はでっかいバッグの中からワインレッドのウエアを取り出した。
派手だな…お前に似合うのか?
俺は自分の着替えをしながら、櫻井の着替えを盗み見た。
おいおい、何だよ…。
俺はアンダーウエア越しでもわかる、櫻井の厚い胸板やスラッと伸びた長い足に釘付けになった。
何だよ、コイツ。いい身体してんじゃん。
二の腕の筋肉もすげえなぁ…。
「大野くん、コンタクト入れてくるね。」
櫻井に声をかけられて我にかえった。
ははっ、なにやってんだ、俺。
男の身体に見惚れている自分がおかしくて仕方なかった。
暫くして洗面所から出てきた櫻井は、すでにゴーグルをしていた。
「まだ部屋の中にいるんだから、ゴーグル取ったら?」
気になって聞くと、目を馴らすためだと返事があった。
変なヤツだな…。
それにしても、予想に反してワインレッドのウエア姿が似合っていて…ドキッとしてしまった。