第24章 white white white
翔くんは暫く固まっていた。
漸く動いたかと思うと、手に持ってる雪玉の
雪を払いながら、俺のほうに走ってきた。
「はぁ…。はぁ…。ねぇ、智くん。これって…。」
「うん。翔くんにあげる。」
翔くんは手にあるものを見つめた。
「智くん…このチョコにはさ、特別な意味はあるのかな…。」
「うん、あるよ。」
翔くんの髪についてる雪を払いながら言うと、翔くんの顔が一気に真っ赤になった。
「今日は…ね、バレンタインデーだから…。」
「う、うん…。」
「…笑わない?」
「うん、笑わないよ。」
「俺ね、翔くんが好き。」
「あ…ありがとう。」
恥ずかしそうに俯く翔くんが
すごく可愛かった。
気づくと、いつの間にか雪はやんでいた。
「ねっ、一緒に食べよ。」
翔くんがチョコをパキッと折って半分くれた。