第24章 white white white
翔くんが作る雪玉はとにかく
大きくて固くて。
当たると結構痛かったけど、
はしゃぐ顔は子供っぽくて。
いつもと違う表情が見れて嬉しかった。
「翔く~ん。」
「なぁに~?」
「次に投げる玉はさ~、避けないでキャッチしてね~。」
「わかった~。」
ふう…。
俺は深呼吸した。
“届け、この想い”
そう願って翔くんに投げた。
ビュン。
パシッ。
よしっ、届いた!
…えっ、えぇっ…!
「ちょ、ちょっと、ちょっと!翔くん、待った、待った!」
キャッチした雪玉をさ、すぐ俺に
投げ返そうとしたから慌てて止めた。
触った感じでさ、ただの雪玉じゃ
ないって気づかないかなぁ…。
投げちゃダメなの?って顔もめちゃめちゃ
可愛いけどさ…。
いま手に持ってるの、よく見ろって~の。