第24章 white white white
昨夜、珍しく雪が降った。
10センチ位だけど雪が積もってる。
お昼を過ぎた頃、雪がまた降ってきて、
一面が更に白くなった。
「智くん、雪が積もるなんて嬉しいよね。」
帰りに昇降口を出ると、空を見上げた翔くんが
そう言った。
シンシンと降る雪の中…
翔くんのくりっくりで大きな目と真っ赤な唇、 白い肌、オフホワイトのダッフルコート。
その佇まいは、まるで雪の王子様。
雪景色と相まって、とても綺麗だった。
「翔くん、雪合戦しよ?」
「うん。」
俺たちは裏庭に移動した。
時々廊下のほうから先生や友達が
見てたりしてたけど気にしない。
2人だけの雪合戦にテンションがあがった。
だってさ、雪なんて滅多に積もらないし、
翔くんとだよ、翔くんと雪合戦だよ。
翔くんと雪合戦なんて、初めてなんだから。