第24章 white white white
俺の友達の翔くんは、歩くのが早い。
隣で歩いてても、気づいたら前にいる。
歩くペースをさ、もうちょっと俺にさ
合わせてくれたらなぁ。
…なんて、最近はあまり思わなくなった。
だってね…
ちゅっ。
翔くんの唇がね、振り向き様にね、
俺のおでこに触れるこの偶然。
隣を歩いていた俺がいないのに気づいて、
あれ?って振り向くらしい。
たまーにあるこの偶然をね、
期待してる自分がいるんだ。
ちゅっ。ってならない時でもね、
翔くんの胸にドン!ってなるのが、
これまた良くて。
「あっ、ごめんね。」
「うぅん、大丈夫。」
翔くん、全然悪くないから。
むしろ嬉しいんだから。
ごめんねって何度も謝って
顔も耳も、ぷっくりした唇も
真っ赤になってるリンゴちゃん。
もうね、大好き。
嬉しくて叫んじゃいそうだからさ
何でもない素振りをしちゃうけど…
それもそろそろ限界かな。
この気持ち…近いうちに
翔くんに伝えたい。