第23章 いつかの約束
翔くんが、しょうさまの姿と重なった。
そう認識したと同時に、俺の脳裏に
夜桜の下にいる二人の光景が浮かびあがった。
遠い記憶…
夜桜を見に行ったあの日。
月が綺麗な夜だった。
“さとしさま、愛しています…”
“しょうさま、愛してる…”
ずっと想っていた相手も
同じ気持ちだったことを知り、
そっと口づけを交わした。
たった一度だけ。
でも…
それは許されないことだった。
“いつかまた必ず”
「さとしさま、やっと…」
「しょうさま、あいたかった…」
幾つもの時を過ぎて
しょうさまに…
翔くんに…
出逢えたんだ。
俺の目からも自然と涙が溢れた。