第23章 いつかの約束
昼休みに、夢の話を翔くんにした。
思っていた通り、笑わずに聞いてくれた。
いや、予想以上に反応してくれて…。
ポロっと涙まで流すから、かなりびっくりした。
クラスの奴らにも「泣かせるなよ~。」って
からかわれたし。
「ごめんね、智くん。」
帰り道、翔くんが申し訳なさそうに言った。
「気にすんなよ。まぁ、泣かれたのはびっくりだったけど。」
「本当にごめんね。」
そう言いながら、また泣きそうな顔をしている。
翔くんって、こんなに涙もろかったかなぁ。
俺と翔くんは同じ路線に乗るんだけど、
翔くんは俺より5つ先の駅。
俺が降りた後、大丈夫かな…
なんだか心配なんだけど。
「うち、寄ってく?」
俺は自然とそう声をかけていた。