第23章 いつかの約束
その日の夜からだった。
“さとしさま、愛しています”
“……さま、愛してる”
時々、そんな夢を見るようになった。
二人いる…?
さとし、さま?
俺と同じ名前だな…。
だけど、相手の名前はあやふやだし、
姿もぼんやりでよくわからない。
でも、二人とも声は男なんだ。
だからだろうか…気になって仕方がなかった。
もしばあちゃんがいたら、
目をキラキラさせて
聞いてくれてたかもしれないな。
今、この話を聞いてくれるのは
一人しか浮かばない。
タイミングがあったら、話してみようかな。
翔くんは笑わずに聞いてくれるだろう。
なぜかそう思ったし、
少し気が楽になったんだ。