第23章 いつかの約束
「ねぇ、智くん。」
「ん?」
体育の授業が終わり着替えをしていると
友人の翔くんに話しかけられた。
何か言いたげだけど戸惑っているような…
視線は俺の左胸のアザに向けられていた。
「これ、気になるの?」
そう聞くと、翔くんは頷いた。
俺は、ばあちゃんから聞いたことを
翔くんに話した。
「その二人…つらかったよね。」
そう言った翔くんの表情が儚くて綺麗で…。
あれ?なんかこの表情、見たことある。
…いつも一緒にいる友達だから、見たことがあるのは当たり前なんだろうけど、ちょっと気になった。
「智くん、どうかした?」
「あ、ううん。何でもない。」
そういえば、相手にも焼印がつけられたんだよな。
不意に目の前の翔くんの身体に目をやった。
真っ白で綺麗な肌にドキッとした。
アザは…ないのか。
なんだか少し残念…って、
俺…どうしちゃったんだろう。