第23章 いつかの約束
「あ~、だりぃな。」
昨日までテスト期間だった。
俺は普段あまり勉強しないから、
集中してテスト勉強して疲れきっている。
制服に着替えるのもかったるい。
鏡に映るのは、俺の左胸のアザ。
三日月の焼印のようなこのアザは
生まれた時からあったようだ。
俺のご先祖様の中に同性を愛して、
罰として胸に焼印をされた人がいたらしい。
そして、その相手のほうも同じように
焼印を押されたのだと…。
ただ、二人がつけられたのは
どんな焼印だったのかはわからない。
二人は離ればなれにさせられた。
………小さい頃、ばあちゃんからそう聞いた。
ばあちゃんは、そのての話が好きだった。
俺のこのアザを見ては、ワクワクした表情を
していたのをよく覚えている。
生まれてから18年。
特に変わったこともなく過ごしていた。