第22章 たまにはね…
智くんは、右肩にあった俺の手をそっと外し、
俺のほうに身体を向けた。
「翔くん。本当に俺から仕掛けていいんだね。」
口角をあげてニヤッとしている。
スイッチが入った時の智くんの表情に
俺はゾクゾクした。
「翔。」
ドキッ…
なんなの…まさかの呼び捨て。
俺が翔呼びに弱いの知ってるの…?
「翔…。」
再び呼ばれたかと思うと、
智くんの伸びてきた手が
俺の後頭部に回ってきた。
「キス、しよ。」
智くんの囁くような声と誘うような目に
身体中がカーッと熱くなった。
もう片方の手で顎をクイッとされ
お互いの唇が重なった。
顎クイなんて初めてだよ…。
啄むようなキスを繰り返し、
徐々に舌を絡めた深いキスをする。
ハァハァとした息づかいに煽られ、
お互いの髪をわしゃわしゃと
撫で付けながら
熱いキスに酔いしれた。