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キミとボク【気象系BL】

第104章 シュワシュワ



間もなくして、ショウが目を覚ました。

「あっ、起きましたね」

「そろそろ帰らないとな」

「はい」

左腕に抱いていたショウをそっと下ろし、立ち上がってリードを持ち直す。

俺に続いて櫻井も立ち上がった。

「本屋には?まだ間に合う?」

「はい。でも…今日は止めておきます」

「いいの?」

「はい。急ぎではないですし、それに…」

足元を見ながら櫻井が苦笑いをしている。

うん、苦笑いするのはわかる。

さっきから気配がしてるし。

「ショウ、お前なぁ…」

ショウが櫻井の足に体を擦りつけている。

俺だってまだそこまで櫻井とベッタリしてないんだぞ?

…キスはしたけど。

“いい…?”

今思うとかなり恥ずかしい。

それにあんなに甘い声がでるなんて。

思い出したら顔がカァッと熱くなった。

「先輩?」

「んぁ?」

「ふふっ。あの、先輩の家は近くですか?」

「うん、近いけど…」

「じゃあ、家まで一緒に行きますね」

「いいの?大丈夫?」

「はい」

「んふふ。良かったな、ショウ~」

「ワン!」



歩き始めてもショウが櫻井からなかなか離れなくて、リードを持つのを変わってもらった。

その途端、ショウがはしゃいじゃって、はしゃいじゃって。

「ショウちゃん、もうちょっとゆっくり歩きませんか…」

慣れてない櫻井の困り顔が超可愛かったし。

時々手と手が触れてドキドキしたし。

「家、ここなんだ」

あっという間に家の前に着いてしまったけど、案外いい思いをさせてもらった気がする。

「翔くん、わざわざごめんな」

「いえ…はい」

「ん、ありがとう」

リードを櫻井から受け取った。

離れがたいけど、時間も時間だし。

「クゥン…」

ショウも寂しそうだけど、仕方がないんだよ…。







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