第103章 LOVE LOVE LOVE
(Oサイド)
「いてっ」
なぜか、しょーくんが俺の肩をペシッと叩く。
それに、小さく“うーっ”て唸ってるのが聞こえてるんだけど。
昼休みになって、しょーくんから生徒会室に行こうって誘われたのも束の間、やっぱりいつもみたいに教室でってことになった。
しょーくんなりに何か理由があるんだと思ったから、敢えてそれは聞かなかった。
席に戻り、俺は机にお弁当を置いた。
しょーくんはスクールバックを膝に抱えたままで、会話をはじめた。
俺が渡したキーホルダーを嬉しかったって、ハート型なのもイヤじゃなかったって言ってもらえてホッとした。
だけど、俺がキーホルダーに書いた『翔』って文字を言葉にしたら、しょーくんの顔が真っ赤になっていって…
俺の肩をペシッ、てさ。
それって、そう呼ばれると照れるってことかな。
んふふ。
何だか嬉しいんだけど。
しょーくんがチラッと俺を見る。
そしてお弁当を取り出そうとしているのか、スクールバックのファスナーを開けはじめた。
伝えるなら今だと思った。
「なぁ、しょーくん」
「…ん?」
「それさ、そのキーホルダーさ。俺の気持ちだから」
「えっ?」
しょーくんの手が止まり、再び俺を見る。
「だから…そのキーホルダーはさ、俺の気持ちを表してるってこと」
「気持ち…?」
「うん、そう。俺のここには…ハートにはね、しょーくんがいるってこと。赤の文字にしたのは、しょーくんのイメージがそうだから」
自分の胸に手を当てながら、しょーくんに気持ちを伝えた。