第103章 LOVE LOVE LOVE
(Oサイド)
しょーくんから目が離せないでいると
「智くん…?」
って不安そうな声で呼ばれた。
大丈夫だよって伝えたくて「しょーくん」って呼んだら、上ずった声で
「は、はいっ」
って返事があった。
しょーくんってさ…
ここぞという時に、本人の意図してない笑いを誘っちゃうんだよね。
そこが親しみやすくてモテるところでもあるんだけど。
もうね、いつもと変わらないしょーくんにちょっと安心した。
そしたら俺も、クスクス笑うのが止まらなくなって。
俺が笑い上戸なのをしょーくんもわかってるから、笑いが落ち着くのを待っていてくれた。
しょーくんが、おかしかった?って気にしているのも、可愛くてたまらない。
「だから、誰にも取られたくないんだよ…」って思わず呟いた。
しょーくんにも聞こえてたみたいで何か言いたげだったけど…
もうこの勢いのまま告白してしまおうと思った俺は、つかんでいないほうの手をポケットに入れて、ハート型のものを取り出した。
…好き…
いざとなると、この二文字が言葉にできない。
“取られたくない”とか“可愛い”とかは言えるのに。
白いハートに名前を入れた手作りのキーホルダー。
「コレやるから、バッグにでも付けといて」
しょーくんに渡しながら、そう言うのが精一杯だった。