第7章 最終試験と私の運命
あれから三時間が経った。
ゴンはずっと一方的に暴力を受け続け、腕を折られても絶対にまいったとは言わなかった。
「………ゴン…」
私は顔が真っ青になるのが分かった。見れば見るほど、ゴンはボロボロになっていく。
痺れを切らしたハンゾーが、ゴンに刃物を突きだした。
「やっぱり、お前は何も分かっちゃいねぇ」
ゴンの額からは一筋の血が流れた。
「死んだら次もくそもねーんだぜ。かたやオレはここでお前を死なしちまっても、来年またチャレンジすればいいだけの話だ!……オレとお前は対等じゃねーんだ!」
しかし、ゴンは何も答えず、ただハンゾーを見据えた。
私も、クラピカとレオリオ、そしてキルとでその姿を見守る。手が震えるのが分かった。
「…なぜだ……命よりも意地が大切だってのか!!そんなことでくたばって本当に満足か!?」
ここで、ハンゾーが試合が始まって、初めて声を荒らげた。しかし、ゴンはしっかりとした口調で、
「……親父に会いに行くんだ」
と言った。
「!!」
「親父はハンターをしてる。今はすごく遠いところにいるけど、いつか会えると信じてる……もしオレがここで諦めたら、一生会えない気がする。だから退かない」
「………」
ハンゾーは沈黙した。その間にもゴンはしっかりとハンゾーを見ていた。
「…………」
しばらくして、ハンゾーは刃物をしまった。
「まいった。オレの負けだ」
あきらめたようにそう言ったのだ