第7章 最終試験と私の運命
「これは試合だぜ? 何ぼーっと突っ立ってやがる」
私の首元にはクナイが突きつけられていた。……!!これは参りましたって言ってもおかしくはない状況!!
「あ………」
私は恐る恐る口を開けたが、ハンゾーの方が早かった。舌打ちをし、苛立った様子で口を開いた。いつもの軽快な口調とは違う、ゆっくりとしたドスの聞いた声だった。
「これが殺し合いなら、間違いなくお前は死んでいる。それに、まず!!対戦相手が気に食わないからって、試合中に別のことを考えて集中出来ないってのは、流石に相手に失礼だと思わねぇか?」
ハッとしてしまった。私は自分のことばっかりで、ハンゾーのこと何も考えていなかった。ハンゾーはせっかく私のことをライバルだって言ってくれたのに…。他人の力で登ってきた私と戦えるって喜んでくれたのに、私は失格になることばっかで……。私は唇を噛み締めた。
「ごめん!!」
私は思わず、クナイを突きつけられていることを忘れて、後ろを振り返った。
「うおっ!! おまっ!! 危ねぇだろ!!」
ハンゾーは後ろに翻った。どこか切れた気もするが、私は構わず言葉を続けた。
「別にハンゾーと戦えることが嫌なわけじゃなくてね!!その……ちょっと予期せぬ事態だったって言うか……その…とにかくごめん!!!!ハンゾーのことは凄い人だと思ってるし、こうやって手合わせできることはとても光栄だなって思う!!……本当にごめんなさい!!」
私はお辞儀をしたまま、顔を上げなかった。恥ずかしかった。結局私は、自分のことしか考えていない。
「……ってことか?」
何も言葉を発しなかったハンゾーが何かを呟いた。
「え?」
聞き返すと、ハンゾーはわなわなと震え、口を開いた。
「つ、つまり…お、お前も……俺のこと好きだってことか!?」
…………?……何を当たり前なこと言ってるんだろう?私は口を開いた。
「う…」
「「「違げぇよ!!!! ハゲ!!!!」」」