第7章 最終試験と私の運命
「第一試合の選手は前へ」
私は恐る恐る前へと出た。
……緊張する必要性は全くない。なぜなら、ある程度やられたら、参りましたといえばよいのだから…。誰も不思議に思わない。何故なら私がここまで上りつめたのは、全て他人の力だからだ。いける!!
しかし、対戦相手の選手を見て、思わず顔が引きつってしまった。
「よぉ、まさかお前とここでやり合えるなんてな。正々堂々、戦おうぜ!!!!」
「……………………………………………………………正直、ハンゾーじゃない人がよかったかも……」
思わず本音が漏れてしまった。私の言葉にハンゾーは声を張り上げた。
「んだとコラァ!!!! お前なんかボッコボコにしてやりゃぁ!!!!!!」
チラリとネテロさんを見ると、満面の笑みだった。……………確信犯だ…。
「おいこらぁ!? どこ見てんだあ? オメェの対戦相手は俺だろうが!!!!!」
「なにイチャモンつけてんだこのハゲ!! アルミ!!お前のその底なしの体力で、そいつをこてんぱにしてやれぇぇ!!!!!!」
レオリオ、お願いだから煽らないで。
「コレは俺とこいつの戦いなんだ!!外野は引っ込んでろ!!」
ハンゾーのマシンガントークに中々試合開始のタイミングが掴めない審判。私はここでハンゾーに問いかけてみた。
「………ねぇ、面談の時なんか言った?」
「ああん?何かってなんだよ!!」
「ほら、注目してる選手だとか、戦いたい選手とか聞かれたでしょ?」
私が記憶の糸を手繰り寄せながら聞くと、
「は、はぁ!? 別に、何も言ってねぇし!!!! 注目している選手はお前で、戦いたい選手もお前。さらにはお前との出会いとかを、ベラベラ喋るわけねぇだろ!!!!!!!!馬鹿かお前!!!」
ハンゾーはそっぽを向いて答えた。確かにハンゾーの言う通りだ。私は組み合わせ表をちらりと見た。次の相手は…ゴンだ。これを見て、確信犯なのは間違いないって思ったけど……考えすぎだったか。
「……………だよね。じゃあ、私がただ単に運が悪かっただけか…
はぁ。カタカタさんとかヒソカとかと戦いたかったのに」
後半をボソッと呟いたが、ハンゾーにはしっかりと聞こえていたようだ。
「んだとこら……」
「あ、もういいので、始めてください」
私はまた長くなりそうなので、そう審判に伝えた。一回戦でこれじゃあ、荷が重いなぁ…