第6章 四次試験の始まり
ブラブラと歩いていると、何やら騒がしい。こっそり覗いてみると、戦闘中だった。
「ほうほう。仲間で固まるって言うてもあるのか」
と言っても、仲間にしてくれそうな人たちはあの中にも周りにもいない。
「んー?どうしよう? ………あ!!」
一瞬の出来事だった。突然現れた大きな動物によって戦闘中だった人全員がその場から消えてしまったのだ。
「おー!! あんな動物もいるんだ」
早すぎてどういう容姿だったかもよく分からなかったが、私は満足だった。とりあえず水を確保しようかな。
そう思って探したら、川はすぐに見つかった。だけど、思った通り川には人が数人張り込んでいた。
「…………やっぱりそうだよねー」
水と食料がないと3日も動けない。ならば、それらが入手出来るところに待ち伏せしていれば、自然とターゲットも集まってくる。
「んー。すごくいい考えだと思うけど、ターゲットとされるのは嫌だなぁ」
すると、バシャバシャと水しぶきが起こり、待ち伏せしていた数人が姿を表した。出てきたのは4人。他にはいないようだった。
「………ちっ。なんだよ犬かよ」
どうやら野生動物が水を飲みに来たようだ。男の人たちは舌打ちをした。掴まれている動物はジタバタしていた。
「今日は警戒して来ねぇかもな」
「まだ試験始まったばかりじゃねぇか」
「しかしよ……ちっ。うっせーなこいつ」
動物は奇声をあげ始めた。その声にイライラし始めた男達は
「そう慌てなくても、今殺してやるよ」
と持っていた剣に手をかけた。そして、そのまま動物は真っ二つに両断され………
ってまぁ、そんなことさせないけどね。