第5章 三次試験と奇術師
「ずっと前から思ってたんだけどさ、キミそんなの着てたっけ?」
しばらくトランプ遊びをしていると、ヒソカが腰にまいてある上着を指さした。私は首を横に振った。
「これ、飛行艇で寝てた時に誰かが着せてくれたみたいで。あ! ヒソカこれ誰のかわかる?」
ヒソカはそれを聞くと、ニヤリと笑った。
「それは次入ってくる人にでも聞いてみたら♡」
「?」
ちょうどその時、扉が開いた。部屋に入ってきたのは、なんとカタカタさんだった。
「カタカタさん!!」
私は彼の姿を見てすぐ声をかけた。
カタカタカタカタ
カタカタさんは私とヒソカの間に座った。
「あ!ねぇ、カタカタさん。この上着ってもしかしてカタカタさんの??」
そう尋ねると、カタカタさんはカタカタカタと揺らした。……イエスだ!!
「これ、ありがとう」
私は無事にそれを返し、カタカタさんに向かってお礼を言った。