第5章 三次試験と奇術師
試練はなんだかとても楽すぎて、逆に申し訳ない気持ちだった。
「はい♠︎おーわり」
何故ならヒソカがすべて1人でやってくれたからだ。
「ここでは死刑囚と対決してもらおう」
というものだったら、ヒソカVS全員で一瞬で片がつくし、
「この道を無事に通り抜けろ」
であったならば、ヒソカが前を行き次々とトラップを壊していくし、
「1人しかこの先は行けない」
とかだったら別の道を探し当てるし。
あまりの足でまといっぷりに私はヒソカに何度か聞いてしまった。
「ねぇ、私邪魔じゃない?」
すると彼は決まってこういうのだ。
「アルミは何もしなくてもいいんだよ♡」
と。流石にそれは申し訳ないので、待合室では料理を作ったり、お茶を入れたりとヒソカのサポートに徹した。
「嬉しいな♡僕にも妹が出来たみたいだ♡ねぇ、お兄ちゃんって読んでよ♡」
と、言うものだから驚いた。さらに驚いたのは、イル兄と知り合いだということだった。