第5章 三次試験と奇術師
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「…………あの部屋にいたの、ヒソカだけじゃなかったんだ」
彼女がそう言い終わるのと同時に扉は閉まった。残されたのは僕ら2人だけ。
「さぁ、頑張ろうねヒソカ!!」
アルミは前と変わらない表情で、先を歩き始めた。
正直に言うと、とても意外だった。
『人を殺したことはない』
イルミはそう言った。だからこそ、何かしら反応があると思ったのだ。しかし彼女は至って普通。それが逆に普通ではなかった。
「…………いいね♡」
彼女が落ちてきた時はどうしようかと思ったが、これはこれで自分好みの試練となりそうだ。