第5章 三次試験と奇術師
「………人が減ってる?」
クラピカの言葉に私はそういえばと思った。結構人がいたはずなのに半分近くいなくなっているのだ。
「ああ。そして、見つけた」
見つけた?私たちはクラピカに連れられて、塔の真ん中に立った。
「ここから下に降りられるようだ。丁度五つある。どこに繋がるかわからないが、健闘を祈ろう」
確かに踏むと、違和感がある。どういう作りになっているんだろう。
「……………じゃあ、下で会おうぜ」
レオリオの言葉に皆頷く。私はこの時上着の存在を思い出した。手元にはない。下を見ると……落ちていた。私は慌てて拾おうと屈んだ。しかし、つい上着を踏んでしまったのだ。
ゴンッ。ひゅっと下から風が吹き込んできた。
「じゃあ、行くぞ…………せーー」
「うわっ!?」
「アルミ!?」
「アル姉!?」
キルアとゴンが私を呼ぶのを聞きながら私は下へと転げ落ちて行った。
「………………イタタ……ん?痛くない?」
恐る恐る目を開けると、目の前にいたのは
「やぁ♡」
ヒソカだった。