第5章 三次試験と奇術師
「アル………アル……」
誰かから揺すられる。私を呼ぶのは誰だろう。………なんかいい匂い。…落ち着く。………イル兄?
「起きろって言ってんだろぉぉぉーー!!!!!!」
大きな声で目を開けた。イル兄ではないようだ。
「大きな声を出すな。せっかくよく寝ているのに、起こしたらかわいそうだろう」
「起こすために大きな声を出したんだよ!! このまま置いけって言うのか!!」
「貴様が背負えばいいだろ?」
「そんなことしてみろ!!キルアからどんなこと言われるか分かったもんじゃねぇよ!!!!」
「確かに。あの様子を見ると、まず飛び蹴りがくるな………と起きたか。すまないなアルミ。レオリオがうるさくて」
「俺だけかよ!!!!!!」
相変わらずこの2人は息がぴったりだな。
「……ううん。ありがと。レオリオも、起こしてくれてありがとう」
「………へっ!! 先降りてるぜ」
レオリオはそう言って歩きだした。
「照れているな」
「照れたの?」
「照れてねェよ!!!!」