第4章 二次試験へ
「ねぇ、キルア。どこへ行くの?」
「俺が知るかよ。姉貴、そろそろ教えてくれてもいいんじゃねぇの?」
私は2人をちらりと見て笑った。
「もう着いたよ」
「……あっ!? 川だぁ!!」
そう。私たちが来たのは暖かな日差しがキラキラと反射する綺麗な小川。
「材料集めってこと?」
私がキルの問いかけに肯定の笑いをすると、
「んじゃ、俺一番乗りな!!!!」
キルは服を脱ぐと勢いよく川へと飛び込んだ。
「あ!!ずるいよキルア!!」
ゴンも負けじと川へ飛び込む。
「あーあー。そんなことしたら魚が逃げちゃうよ」
私は笑いながら、二人の脱ぎ捨てた服を拾い始めた。
「スシって言うのは東洋のある島国の伝統食なんだって。手のひらほどのライスに切り身をのせて食べる……っていわれているのは知ってるんだよね。だけど実際の所私もよく分からなくて」
「んだよ。姉貴も分かんねぇのかよ」
「でも、そこまで分かってたら後は作ってみるだけだよ!! ありがとうアルミ!! 物知りなんだね!!」
憎まれ口を言うキルアと、感謝の言葉をしながら笑いかけるゴン。本当、弟が増えたみたい。
「でも、なんでわざわざ上流まで来たんだよ」
「だって下流の川、汚かったじゃない」