第10章 天空闘技場
「……………え?」
私は思わず聞き返してしまった。キルは顔を真っ赤にして、肩で息をしている。
「ち、違うよ!? 違うって!!!!ヒソカとは別にそんな関係じゃ……………」
「嘘つけ!! じゃあ、なんであんな密会みたいなことしてんだよ!! そんなの………恋人……同士しか……ねぇだろ…」
声がどんどん小さくなり、俯くキル。…そっか。そう思ってたのか。
「ヒソカはただの仕事仲間だよ。密会……っていうか一緒にいたのは、その話し合いのためで、別に恋人とかそういうのじゃないよ」
「…………仕事? …親父からか…。けどなんで姉貴だけ…まさか殺しのか?」
今度は真っ青になってそう言うキル。私は慌てて首を振った。
「ただ情報収集するために、ちょっとした所に潜入するだけだよ。心配ないで。だから……そんな顔しないでキル」
私はキルの顔にそっと触れ、笑いかけた。
「…………オレに手伝えることはねぇの?」
そういうキルに私は思わず笑ってしまった。仕事に行くたびに不機嫌になっていたキルが、自分から嫌いなことに関わろうとするなんて…。だが、私は首を振った。
「キルは今ゴンと自分探しの旅をしている最中でしょ。でも、ありがとね」
「……………後悔…してねぇの?」
キルがボソッと呟いた言葉が、少し震えていたように思えた。