第10章 天空闘技場
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「キル」
オレは姉貴の問いかけに答えず、さらに掛布団を頭まで上げた。姉貴がオレのベッドに入ってきてから、姉貴がさらに近く感じるようになり、オレは少しどころかかなり後悔し始めていたのだ。
「………あのね、ゴンに聞いたんだけど……」
「…………」
ゴンが? まぁ、あいつの事だから、ヒソカがどうだの、念がどうだったのなどの話だろう。オレのことなんて………
「キルが寂しがってたって」
ガバッ
オレは気まずかったかとも忘れて、慌てて起き上がった。
「な、何言ってんだよ!!んなわけねぇだろ!!!!!! 確かにヒソカの野郎と一緒にいすぎだとはいったけど、でもオレはそんなこと一言も………」
姉貴の顔を見て、ハッと我に返った。
「言ったんだ」
ニヤニヤする姉貴を避けるかのようにオレは顔を背けた。くそっ……言わなくていいことを………
「言っ、た、ん、だ!!!!!!」
「うおっ!? や、やめろよ姉貴!!!!!!!!」
オレを引き寄せる姉貴になんとか抗おうとしたが、本気を出すと当然姉貴の細い腕が折れてしまうわけで………結果、オレは抗えず姉貴の腕の中にいる訳だ。
「あのね…言いそびれていた私が悪いんだけど……最近ヒソカと一緒にいた理由……」
オレはビクッと体が震えるのが分かった。ついに姉貴の口から聞けるのだ。だが……同時に恐ろしくもあった。オレの知らない姉貴…。もし……もしヒソカと……そういう関係だったら…? あいつを兄と呼べというのか?………………。
「オレ、絶対認めねぇからな!!!! 姉貴がいくらヒソカのこと好きだろうがなんだろうが、オレは認めなねぇ!!!!!! ヒソカを………あんなヤツを……兄だなんて認めないからな!!!!!」