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ゾルディック家の愛され長女

第10章 天空闘技場


その夜のこと。シャワーを浴びて電気を消すと、私は意を決して、部屋に入った途端ベッドにふて寝したキルに声をかけた。

「………キル」

しかし、呼びかけても返事は帰ってこない。本当に寝てしまったのか…。それでも構わないと私は口を開いた。

「………そっちいってもいい?」

これで返事がなかったら、明日起きた時、捕まえてでも話すしかないだろう。

「………………」

返事はない。私は一つため息をつくと、自分のベッドに入ろうとした。しかし、ふと、キルの布団がめくれているのに気づき、私はそれがキルの合図だとわかった。

「………お邪魔します」

キルのベッドに入ると、キルの体温がじんわりと伝わってきた。キルは相変わらず黙ったままだけど。

「………あのね…キル…」

そして私は口を開いた。
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