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ゾルディック家の愛され長女

第4章 二次試験へ


間もなく二次試験が始まろうとしていた。

時計の長針が限りなく真上に近づいていくにつれ、受験者達の空気はピリピリとした緊張感に包まれていった。

だが、そんな中

「はぁ!? 見知らぬおっさんに藪に連れこまれた!?」

耳をつんざくような叫び声が辺りに響き渡った。

「いや、違うって。あの人はただ……」

親切心から…と言おうとしたが、クラピカから遮られた。

「あの時、我々に目もくれずアルミの手を取ったのはそういう行為に及ぶためだったのか……」

「嘘だろおい!!こいつ15だろうが!!ある意味ヒソカよりやばいだろ!!」

3人がそれぞれ言い合い、その間に私が入るすき間はなかった。そんなとき不意に肩を叩かれた。

「アルミ、大丈夫だった?怪我はない?」

ゴンが心配そうな顔をして私に聞いてきたのだ。私はゴンの頭をそっと撫でた。

「大丈夫だよ。怪我もしてないし、それに後半はカタカタさんに連れてきてもらったから全然疲れてないしね」

「そっか!!よかった!!」

笑い合っていたら、キルアがずいっと顔を近づけてきた。

「カタカタさんって誰だよ!!その変態野郎か!?」

キルアは先程よりも不機嫌そうに言った。

「違う違う。カタカタさんは棘を武器にしている受験者だよ。言葉は通じるかわかんないけど、いい人だよ」

そう言うとキルは大きくため息をつき、イライラと頭をかいた。

「言葉通じねぇのにいい人か分かんのかよ!!…あー!!こんなことなら姉貴の側を離れるんじゃなかった!! 」

手のかかる子供のように言うキル

「そんな事言ったって、キルはゴンと楽しそうにやってたじゃない」

ん?なんかヤキモチ焼いちゃった彼女みたいだ。すると、キルは首を勢いよく振った。

「ちげぇって!んなの!!姉貴がクラピカの奴と楽しそうにしてたからだろ!!俺らじゃ分かんない話で盛り上がってたから、邪魔しちゃ悪ぃなって……ぐえっ」

私は思わずキルに抱きついた。私のため?今私のためって言った!?

「は、離せ!!」

「もー!!そんなのずるいよ!大好き!!」

顔を赤らめて私を引き剥がそうとするキルだったが、私は意地でも離さなかった。

「二人はやはり姉弟だな。同じことを言っている」

「羨ましいこった。あー!!俺も美人なお姉様が欲しいぜ!!」

「俺も兄妹がいないから羨ましいよ」

あぁ、幸せ!!
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