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ゾルディック家の愛され長女

第3章 ハンター試験


すると、突然霧の中から1人の男の人が出てきた。

「おい!!あんたら!!早く逃げるんだ!!」

そして一番近くにいた私の腕を掴んだ。そんなにもヒソカという人物は恐ろしいのか、ブルブルと震えているのが伝わってくる。

「逃がさないよ♦️試験はまだ始まったばかりだ」

「きっ、来た!!!!」

男の人は私の手を掴んだまま後ろを振り返った。私たちの目線の先に現れたのは、先ほど目が合ったピエロみたいな落書きをした人。……この人がヒソカ?サーカスとかに出てきそうなかんじ。

「あとは君達四人だけ♦後は全員不合格だよ♣️」

ヒソカはトランプのカードを取り出した。それでなにを?そう聞く前に、

「おい!分かれて逃げるぞ!」

男の人はそう言い、私の手を強く握った。

「俺達はあいつに勝てない。せーので行くぞ!……せーの!」

強い力で引っ張られ、私は彼と一緒に左へと逃げた。クラピカは右。レオリオはその場に残った。どうやらヒソカと対峙するらしい。頑張れレオリオ。

「………こ……ここまで逃げれれば大丈夫だろう」

左へと曲がった私たちは再び森の中に入っていた。上には人面鳥が三羽私たちをじっと見つめている。

「君、大丈夫だったかい?」

男の人は私にそう尋ね、私が頷くと笑った。

「手を引っ張って悪かったね。あの中で君が一番歳が若かったように思えたから。俺は………」

しかし、私は男の人の言葉をほとんど聞いてはいなかった。レオリオとクラピカがちょっと心配で、話に耳を傾ける余裕がなかったのだ。上では次々と人面鳥が私たちの上へと集まってくる。

「………そ……それにしても、君の髪の毛とても綺麗だね。触ってみてもいいかい?」

聞く前に既に私の方に手を伸ばしかけている男の人。髪なんか今はどうでもいいはずなのにこの人は何を言っているのだろう。ここにいるからと言って、ヒソカから逃げ切ったわけでも、試験に合格するわけでもないというのに。しかし、それを私が言う前に男の人は近くにあった木に体を打ち付けられていた。

「ヒッ、ヒソカ!?」

男の人はバタバタと体を動かすが、腕に刺さった棘みたいなのは取れそうにない。すると、前からカタカタと音を立てながら誰かが近づいてきた。

「……誰??」

ヒソカにしては体格が大きいので、彼の仲間だろうか。
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