第10章 天空闘技場
「久しぶりアルミ♡」
ドアが閉まると、ヒソカは顔をこちらに向けた。
「久しぶりって、ついこの間会ったよね」
イル兄もヒソカも同じことを言うんだな。
「つれないな♡ボクは毎日でもキミに会いたいのにさ」
なんて言うヒソカ。私はイル兄から言われたことを思い出し、ヒソカにお辞儀をした。
「イル兄に会った。よく分かんないけど、動いてくれたんだってね。ありがとう」
「他ならぬキミのためだからね♦苦労したよ」
私は本題に入ろうとしたが、ヒソカはトランプいじりを始めた。
「キミ、イルミに告げ口しなかったんだね♦助かったよ」
ヒソカが言っているのは多分、家に侵入した件だろう。うまく誤魔化しておいたが、あのイル兄相手に運が良かったと言うものだろう。
「今度からちゃんと正規の手続き踏んで来てよ」
「キミんとこ部外者は入れないでしょ?」
「入れるよ多分。ゴンたちが来訪してくれたからね」
ふふっと笑うと、ヒソカはじっと私の顔を見た。
「何?」
「キミ、ちゃんとお姉ちゃんしてるんだなって♡」
お姉ちゃんしてるって、そりゃあ当たり前でしょう。
「キミもちゃんと怒れるんだね♡ さっきは正直ゾクゾクしたよ」
なんとも言えない笑みを浮かべるヒソカに、私は肩をすくめるだけにしておいた。