第10章 天空闘技場
「極寒の地で全裸で凍えながら、なぜつらいのか分かっていないようなもの。これ以上心身に負担をかけると死にかねないよ」
私はもう大丈夫だと分かり、二人を下ろした。さっそくキルはウイングさんにつっかかる。
「これがネンだと!?あいつが通さないって思うだけでこうなるか!?ウソつけ!!」
「はい、あれはウソです」
「なっ!?」
「だから、本当の念について教えます。ひとまずここから退散しましょう」
私はその前にと、先程から取り残されている受付のおねえさんに尋ねた。
「今日までに登録できなかった場合、どうなるのですか?」
「あ、はい!!ゴン様は、また1階から挑戦し直していただけます……ただ…」
言葉を濁すおねえさん。ちらりとキルをみて
「キルア様は以前登録を断ってらっしゃいますから、また未登録となると登録の意志がないとみなされ、参加自体不可能となってしまいます」
と言った。つまり、あと3時間ちょっとで念を習得しないと、キルはこの競技自体に参加できなくなるということ。
「………行くよ。何とかしてみせるさ。ゴンも行くだろ?」
「もちろん!」
ウイングさんがキル達を見て微笑み、それでは行きましょうか、とエレベーターまで歩き出した。
「ん?姉貴?」
私はその場に残った。二人に手を振り、ウイングさんには二人をお願いしますとばかりに深くお辞儀をした。
「アルミ!?」
そして、私はスタスタと受付へと繋がる通路を難なく歩いた。ヒソカが私に手を振る。
「キル、ゴン。私はここで待ってるね。だから、早くおいで」
二人は顔を見あわせ、そして大きく頷いた。
「分かった!!すぐに来るから、待ってて!!」
「おいヒソカ!!姉貴に変なことすんなよ!! 姉貴もそいつ変態だから気を許すなよ!!!!」
「くくく♡」
そして、エレベーターの扉はしまった。