第10章 天空闘技場
「出直したまえ◆とにかく今は早い」
ヒソカはその場に座り、また手を構えた。
「通さないよ◆ってか通れないだろ?」
さらにキルたちの顔が険しくなった。息をするのもやっとのようだ。
「……キル、ゴン。まだ早いって。出直そ?」
私は二人にそう声をかけた。しかし、
「嫌だ!!」
「俺も同感だ!!せっかくここまで来たんだからな!!」
頑なに引かず、それどころか前に進もうとする始末。
…………………………………………………………………………なにムキになっているんだか。
私は呆れてため息をつき、二人を同時に抱え上げた。
「姉貴!?何すんだよ!!」
「ア、アルミ!?」
私は二人を抱き抱えたまま、後ろを振り返った。二人は私の腕の中で暴れる。
「離せよ!!!! こんなところであんな奴に引くわけにはいかねぇ……!!」
「アルミ、離してよ!! 俺、ヒソカに借りを返さなきゃ……!!」
「黙りなさい」
ビクッと二人が震えるのが分かった。私は再び溜息をつき、口を開いた。
「キルア、ゴン。今のあなた達でははっきり言って、無理よ。少しは考えなさい。このままいくならば、あなた達は間違いなく死ぬ」
「………」
「………」
二人は黙っていたが、暴れていた力がどんどん抜けていった。
「勇気と命知らずは違うし、それを履き違えるなら私はあなた達に失望したと言わざるを得ないわよ」
「…で、でも…!!」
ゴンが口を開きかけた時、エレベーターのドアが開いていたことに気づいた。
「アルミさんの言う通りです。二人共、無理はやめなさい」
そして、中から出てきたのは、ウイングさんだった。