第10章 天空闘技場
「"レン"はヨンタイギョウの1つっす。ヨンタイギョウとはシンを高めシンを鍛える。全ての格闘技に通じる基本っす」
「「??」」
ズシは急な頼みにも関わらず、快く教えてくれた。だけど、その説明は初心者二人に教えるには……ちょっと……。多分漢字変換もよく分かっていないだろう。
「…以上っす!!」
「わかんねーよ!!」
最後までガマンして聞いていたキルだったが、とうとう怒鳴ってしまった。ゴンもちんぷんかんぷんな顔をして、私を見た。
「まぁ、つまりはそれを身につけることが出来たら、さらにゴンたちは強くなるってことだよね」
「そうなの!?キルア聞いた?俺たちもっと強くなれるんだって!!!!」
私が笑いながら言うと、ゴンは目を輝かせた。
「んなことは、分かってんだよ!! だから、その念ってやつはどうやって身につけんだって聞いてんだよ!!!!」
キルアは力強くズシの肩を揺さぶった。ズシ、目が回りそう。
「そ、それは……師範代から………」
「ズシ!君はいつから人に教えられる程物を納めたのかな?」
「!!」
後ろからウイングさんが歩いてきた。
「あ……オ、オス!!!!」
ズシ、固まっちゃった。ウイングさんは構わず話を続ける。
「ゴン君キルア君、昔の訓辞に"物事とは中途半端に知ることで何も分からないより分からなくなる"とありますが…」
「ふーん。生兵法は大怪我のもとってことか」
キルが気まずそうに頭をかく。そして、ウイングさんは二人に付いてくるようにいった。
「よっしゃ!! ゴン行くぞ!!」
「うん!!」
ズシも師範代と共に行こうとした時、
「ズシ、キルがごめんね」
と頭を撫でた。
「へっ!?い、いえ…逆に上手く言えなくて申し訳なかったっす!!」
健気に頭を下げ、ズシは走ってそのあとを追った。