第10章 天空闘技場
結果は、キルの勝利。だけど、戻ってきた本人は納得がいかない様子だった。
「姉貴、ネンって知ってるか?」
キルの話しによると、先ほどの勝負のときキルアと戦ってズシが倒れなかった理由を、ズシは念を使ったと言ったのだという。
「なるほど。念か…」
「知ってんのか!?」
キルがぐわっと私の顔を見た。
……知ってるというか、私もお爺様に習って多少使えるしね。だけど、お爺様から
「キルアにはまだ言うな。しかるべき時に教える」
って言われたんだった。キルには悪いけど、ここは知らないふりで通そう。
私は首を横に振った。
「聞いたことはあるけど、私もよくは知らないんだよね」
「んだよ!!姉貴も知らねぇのかよ!!」
はぁっと頭をかくキル。あまりの落ち込みようだったので、私はさり気なく聞いてみた。
「ズシに聞いてみたら? ほら、ちょうどあそこにいるし」
すると、ハッとキルは顔を上げた。
「そうか!!その手があった!!」
「わっ!? どうしたのキルア!?」
これまたちょうど試合を終えたゴンを連れ、キルはズシの元へ走って行った。