第3章 ハンター試験
「わっ!?」
私は突然足に違和感を感じ、そしてそのまま前へと倒れた。
「うおっ!?大丈夫かよ」
「怪我はしていないか?」
親切にもレオリオもクラピカもわざわざ止まり、駆け寄ってくれた。
「地面が柔らかいから痛くはないけど……ごめん。前とはぐれちゃったね」
霧は既に深く、前で走っている人達を見つけるのは困難を極めるだろう。私は俯いた。
「気にするな。この霧だ。前方走者もまた道を見失っている可能性が高い。たとえあのままついて行ったとしても気づかずに道に迷っていたさ」
「だが、どうするんだよ。どっちにしろ道が分かんねぇのは一緒だろ」
2人が相談している間に私はゆっくりと立ち上がった。やはり足に違和感がある。私は足元を見た。
「…………うわ……」
私は思わずそう呟いた。靴の前部が真っ二つに裂けていたのだ。私は自分が転んだことに納得した。
「アルミどうし……」
クラピカの声は途中で消えた。何故なら劈くような悲鳴が辺りをこだましたからだ。しかも遠くない。
「………俺たちのすぐ前を走ってた奴らだな」
その後にバクンッと何かを飲み込んだような音。色々聞こえた。
「………俺ら運がよかったな」
「…………あぁ」
「えー、どんな動物なんだろ?見たかったかも」