第10章 天空闘技場
「アルミはおじさんに用はないよ」
「分かんねぇかなぁ? ガキはすっこんでろって言ってるんだよ」
何やらバチバチの二人。私は板挟み状態だ。
「あの……」
「姉貴、ゴン。何してんだよ」
困っていると、試合を終えたキルが戻ってきた。私はキルも試合前と同じくどこも負傷していないことにほっとした。
「キル、お疲れ様」
「…………そんなこと言ってる場合かよ。っとに、姉貴は………」
はぁっとため息をつくキル。
「おい、おっさん!! んなことしても、嫌われるだけだぜ。いい歳したおっさんが無理矢理かよ。情ねぇな」
ピキッと男の人は表情を変えた。…あ、手がゆるんだ。
「おいガキ……どうやら口の聞き方を知らねぇらしい………」
私は大事になる前に彼の首筋を叩いた。男の人はぐにゃりと後ろに倒れた。
「よし!! さっ、行こう」